作品概要
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・タイトル:クルエラ
・原題:Cruella
・公開:2021年
・制作国:アメリカ
・監督:クレイグ・ガレスピー
・キャスト:
エマ・ストーン(Emma Stone)…エステラ / クルエラ
エマ・トンプソン(Emma Thompson)…バロネス
ジョエル・フライ(Joel Fry)…ジャスパー
ポール・ウォルター・ハウザー(Paul Walter Hauser )…ホーレス
ジョン・マクリー(John McCrea)…アーティ
エミリー・ビーチャム(Emily Beecham)…キャサリン
マーク・ストロング(Mark Strong)…ジョン
※英語表記のリンクは英語版Wikipediaへのリンクです
今回は2021年公開の映画『クルエラ』の感想を書いていきます。
※こちらはプライムビデオ対象外の作品です。
あらすじ
パンクムーブメント吹き荒れる70年代のロンドン。デザイナーを目指す一人の少女エステラ(後のクルエラ)は、「アートを作りたい」と野望に燃えながら、裁縫やデザイン画の制作に必死に励んでいた。切磋琢磨しながら働き続ける彼女は、“ヴィラン”とは程遠い、夢と希望に溢れる若者だった。このままデザイナーへの道を歩んでいくと思われたエステラだったが、カリスマ的なファッションデザイナー、バロネス(エマ・トンプソン)との出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。
『クルエラ(映画)』Wikipediaより引用
キャスト
エマ・ストーン(Emma Stone)…エステラ/クルエラ役
主人公のエステラ/クルエラ役を演じるのはエマ・ストーン(Emma Stone)。
1988年11月6日、アメリカ・アリゾナ州スコッツデール生まれ。
小さい頃から役者に憧れ、数年間ボーカルレッスンを受けた後、11歳の時に初舞台に立つ。その後も数々の舞台に出演し、15歳でハイスクールを中退し母親と共にロサンゼルスへ移住。2004年にテレビのオーディション番組で勝ち進みテレビでのキャリアをスタートした。2007年には『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で映画デビュー。その後も『キューティ・バニー』『ゾンビランド』『ラブ・アゲイン』『アメイジング・スパイダーマン』などに出演。
2016年公開の『ラ・ラ・ランド』では主演のミア役を演じ、ヴェネツィア国際映画祭女優賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)、アカデミー主演女優賞を受賞した。
エマ・トンプソン(Emma Thompson)…バロネス役
ファッション界の女王、バロネス役を演じるのはエマ・トンプソン(Emma Thompson)。
1959年4月15日、イギリス・ロンドン生まれ。
俳優・舞台監督の父と女優の母の元に生まれる。ケンブリッジ大学在学中に劇団を結成し、卒業前にエージェントと契約し、1980年に大学を卒業。1982年にプロの女優として舞台デビューした後、数々のテレビドラマに出演。1987年には最初の夫となるケネス・ブラナーとテレビドラマで共演し、彼の劇団作品にも出演する。1989年には『彼がステキな理由』で映画デビューを果たし、ニューヨーク・タイムズ紙で賞賛された。
主な出演作品として、『日の名残り』『いつか晴れた日に』『ラブ・アクチュアリー』『ハリー・ポッター』シリーズなどがある。
ジョエル・フライ(Joel Fry)…ジャスパー役
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エステラ(クルエラ)の友人、ジャスパー役を演じるのはジョエル・フライ(Joel Fry)。
1984年生まれ、ロンドン出身。
王立演劇学校で演技を学び、2008年『紀元前1万年』で映画デビュー。テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』、映画『イエスタデイ』などに出演。
ポール・ウォルター・ハウザー(Paul Walter Hauser )…ホーレス役
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エステラ(クルエラ)のもう一人の友人、ホーレス役を演じるのはポール・ウォルター・ハウザー(Paul Walter Hauser )。
1986年10月15日、アメリカ・ミシガン州生まれ。
10代の頃から役者を目指す一方でスタンダップコメディアンとして舞台に立つ。主な出演作として『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『リチャード・ジュエル』などがある。
マーク・ストロング(Mark Strong)…ジョン役
バロネスの付き人役のジョンを演じるのはマーク・ストロング(Mark Strong)。
1963年8月5日生まれ、イングランド・ロンドン出身。
ロンドン大学とブリストルの演劇学校で演劇を学ぶ。2003年にシェイクスピア劇の『十二夜』でローレンス・オリヴィエ賞にノミネート。2007年の『ノーカントリー』では、アントン・シガー役候補のラスト2名まで残る。
代表作に『シャーロック・ホームズ』『キック・アス』『裏切りのサーカス』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などがある。
Check
感想
※この記事はネタバレがあります。未視聴の方はご注意ください。
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先月公開になったばかりの『クルエラ』が気になりすぎてどうしても劇場で観たくなり、久しぶりに映画館へ行ってきた。
このブログは本来であればプライムビデオで観ることができる作品のみを記事にしているが、今回だけは【番外編】としてレビューを書かせていただきたい。
今回、何としても劇場で観たかった理由は、1970年代のイギリスが舞台となっておりパンクムーブメントをフィーチャーした作品だったから。青春時代に60~70年代ロックやUKパンクを通過した自分としては当時の音楽とファッションをスクリーンで堪能したかったのだ。
感想は、控えめに言っても最高だった。
全体的にテンポも良く、上映時間の134分があっという間だった。
良かった点は、
- ファッションと音楽がかっこいい
- クルエラがかっこいい
- 予想のつかないストーリー展開
主にこの3つ。
今回はこの3点に重点を置いてレビューしてみようと思う。
ロック黄金期の音楽がカッコイイ
今回、一番期待していた音楽は期待通りに良かった。
ゾンビーズの『二人のシーズン』、ディープ・パープルの『Hush』、ニーナ・シモンの『フィーリング・グッド』、アイク&ティナ・ターナーの『カム・トゥゲザー』などの名曲が、ここぞ!というシーンでかっこよく流れてくる。
予想と違ったのは、1960~70年代のロックがほとんどでパンクは2曲しか流れなかったこと。
ただ、「全然パンクっぽい曲が流れないな…」と思っていたところでクルエラが『I Wanna Be Your Dog』の曲をひっ提げて登場するシーンは本当に最高にクールで、あのシーンは近年自分が観た映画の中でも稀にみる名シーンだと思った。
時代が変わる瞬間を目の当たりにした衝撃に興奮と鳥肌がしばらく治まらなかった。
あのシーンを際立たせるためにそれまでパンク色を抑えていたのなら素晴らしい演出だと思う。
イギー・ポップ率いるザ・ストゥージズ(The Stooges)が1969年に発表した『The Stooges』の収録曲をアーティ役のJohn McCreaがカバー。本家に劣らずカッコ良い仕上がり。
『Hush』はクーラシェイカーのカバー曲もおすすめ。
ローリン・ヒル、マイケル・ブーブレ、Aviciiなど多くのアーティストにカバーされているニーナ・シモンの『Feeling Good』。たぶん色んな映画で使われている。先日観たアマプラの『これが私の人生設計』でもフランチェスコが階段から登場するシーンで流れていた。
ティナ・ターナー姐さんのバンド時代の名曲。ビートルズの曲をここまでファンキーにアレンジできるのはヤバすぎる。”Shoot”の切れ味も最高。
>>Amazon:クルエラ オリジナル・サウンドトラック
多彩なファッション
オートクチュールからパンクスタイルまで多彩なファッションも見どころの一つ。
序盤に出てくる幼きエステラが忍び込むパーティーでは、まるで映画『マリー・アントワネット』さながらの華やかでポップなオートクチュールファッションのショーが繰り広げられている。
そして大人になったエステラが自分を売り込むために潜入したリバティ百貨店では、当時(1970年代初期?)のファッションを観ることができる。
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リバティ百貨店(Liberty)とは
イギリスのロンドン中心部、グレート・マルボロ・ストリートにある老舗の百貨店。1875年、アーサー・ラセンビィ・リバティ (Arthur Lasenby Liberty) によって、日本や東洋の装飾品、織物、その他様々な芸術工芸品を販売する店として開業した。
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そして、エステラが酔った勢いでアレンジしたリバティのショーウィンドウの斬新なスタイリングを見たバロネスは、エステラを自分のメゾンにスカウトする。
メゾンで働くエステラのファッションは、上品さを残しつつもパンク色が強くなっている。
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そして、遂にヴィラン(悪役)となったクルエラは、オートクチュール界に進出したヴィヴィアン・ウェストウッドのようにそれまでの優雅で美しいだけのスタイルを壊したデザインを世に出す。
ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood )について
今回の『クルエラ』を鑑賞する上で欠かせないのは、パンクの女王と呼ばれるヴィヴィアン・ウエストウッドの存在。当時のパートナーであるマルコム・マクラーレンと共にパンクムーブメントを作ったデザイナー・活動家として語り継がれている。
衣装担当はジェニー・ビーヴァン
今回『クルエラ』の衣装を担当したのは、イギリスの衣装デザイナー、ジェニー・ビーヴァン(Jenny Beavan)。
40年以上の経歴を持つ大ベテランの衣装デザイナーである。
『モーリス』『日の名残り』『アンナと王様』『英国王のスピーチ』など、名だたるイギリス映画の衣装を手掛けている。
近年では2015年公開の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で二度目のアカデミー衣裳デザイン賞を受賞。(一度目は1986年の『眺めのいい部屋』。)
1950年生まれの彼女は、無論1970年代をリアルタイムで経験しているが、当時はファッションよりも演劇が好きで、ましてや高価なヴィヴィアン・ウエストウッドの服には縁がなかったという。
そこで今回のクルエラのコンセプト作りには、当時のヴィヴィアンのコレクションやニーナ・ハーゲン(ドイツのアーティスト)、アレキサンダー・マックイーンなどのポートフォリオを集めてイメージを固めたとのこと。
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また、エステラ(クルエラ)とは対照的なバロネスのファッションは、1950~60年代のクリスチャン・ディオールからインスパイアされているらしい。
参考記事:How Emma Stone Became Everyone’s Favourite (Impossibly Stylish) Supervillain(VOGUE)
クルエラがかっこいい
クルエラ役を演じたエマ・ストーンは今や誰もが知っている大スターだが、初めて彼女を見た時に「変わった顔の女優だな…」と思ったのは私だけではないはず。
ところが、表情豊かな彼女の演技を目の当たりにしてからは、すっかり彼女にハマってしまっている自分がいた。
今回、主演がもし他の正統派美人の女優だったら映画館に行ってまで観ていなかったかもしれない。彼女の演技とキャラクター性には、どこか惹きつけられる不思議な魅力がある。
今回の役はヴィランになる前のエステラと、悪に目覚めたクルエラという二面性のある人物を演じ分けなければならない難しい役ながらも、期待を裏切らない演技を見せてくれた。
堂々としたクルエラの弾けっぷりは様になっていて気持ち良かったし、良心を取り戻すクルエラの変化も上手く演じていたと思う。
ただ、蛇足ではあるが ヘレナ・ボナム=カーターがもう少し若ければ絶対にハマり役だっただろうなぁと思わずにはいられなかったのも事実。
もし続編があるのならクルエラの姉妹役やライバル役などで出てほしいと切実に願う。
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予想のつかないストーリー展開
クルエラの上映時間は134分。
冒頭でも書いたが、退屈する間もなくあっという間にエンドロールを迎えた。
ストーリーのテンポが良かったのと、見せ場が何か所もあったので目を離す暇もなかった。
単なるクルエラの復讐劇で終わると思いきや、意外な真相が途中で明らかになり、最後まで予想がつかない展開も見事。
本格的なネタバレになってしまうが、最後はクルエラがバロネスに直接手を下すのではなく、バロネス自身の判断に委ねて結果的に自爆させたところ(=主人公の手を汚させない演出)がディズニーらしいなと思った。
最後に
今回は期待通りの面白さだった。
当時のイギリスのカルチャーやファッション、音楽が好きな人なら絶対に楽しめる映画だと思う。
ストーリー自体も分かりやすく、エロ・グロシーンも無いのでお子様でも楽しめるはず。
ちなみに私は『101匹わんちゃん』の本家のクルエラの知識はほとんどない状態(映画館に行く前にWikipediaを見た程度)で本作を観たが普通に楽しめた。
『101匹わんちゃん』に詳しい人ならもっと楽しめると思う。
今回レビューを書いている途中で「また観たい!」という気持ちが溢れ出てきたのでアマプラで観れる日(たぶんレンタルだが)を楽しみに待とうと思う。
Amazon好きが映画を観るならprime video
過去にWOWOW、ひかりテレビ、Hulu、Netflixなどで映画を観てきた私が、現在はプライムビデオに落ち着いた理由は以下の通り。
・Amazonを日頃から利用している
・映画は最新作よりも過去の作品をじっくり観たい
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結論:Amazonを頻繁に利用する映画好きならプライムビデオ一択。
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